1. ユーザビリティテスト入門 MOC
- ユーザビリティテストとは何か
- ユーザビリティ (Usability) の定義と構成要素 MOC (ISO 9241-11)
- 有効さ (Effectiveness) (ユーザーが目標を達成できるか)
- 効率 (Efficiency) (目標達成に必要なリソースはどれくらいか)
- 満足度 (Satisfaction) (ユーザーがその利用体験をどう感じるか)
[[(オプション) 学習しやすさ (Learnability), 記憶しやすさ (Memorability), エラー発生率 (Error Rate)]]
- なぜユーザビリティテストが重要か
[[設計者の思い込みの排除]][[開発の早い段階での問題発見と手戻りコストの削減]][[データに基づいた客観的な意思決定の支援]][[コンバージョン率や定着率などのビジネス指標への貢献]]
- ユーザビリティテストと他のリサーチ/テスト手法との違い
[[vs. ユーザーインタビュー]](行動の観察 vs. 意見の聴取)[[vs. アンケート調査]](行動 vs. 態度)[[vs. A/Bテスト]](なぜ問題が起きたか vs. どちらが良いか)[[vs. フォーカスグループ]](個別利用 vs. グループでの議論)[[vs. QAテスト (機能テスト)]](使いやすいか vs. 仕様通り動くか)
- ユーザビリティテストの歴史と進化 (ラボでのテストからリモートテストへ)
2. ユーザビリティテストのプロセス MOC
2.1. ステップ1: 計画 (Planning) MOC
- テスト計画の重要性
- テスト計画書の作成 MOC
- 1. テストの目的とリサーチクエスチョンの設定
[[何を明らかにしたいのかを明確にする]][[検証したい仮説のリストアップ]]
- 2. テスト対象 (プロトタイプ、製品) の定義
[[どの機能、どの画面をテストするか]][[プロトタイプの忠実度 (Lo-Fi, Hi-Fi) の選定]]
- 3. 参加者 (被験者) のプロファイル定義とリクルーティング
[[ターゲットユーザーの属性定義]][[スクリーナーアンケートの作成]][[リクルーティング方法とインセンティブ]][[適切な参加者数の決定 (定性的テストでは5人前後)]]
- 4. テスト手法の選定 (モデレーターの有無、実施場所など)
- 5. タスクシナリオの設計
[[現実的で具体的なタスクの作成]][[オープンなタスク vs. クローズドなタスク]][[タスクの順序とバイアスの考慮]]
- 6. 測定する指標 (Metrics) の決定 (タスク成功率, 時間, 主観評価など)
[[7. テスト環境と機材の準備]](デバイス、録画・録音機材、テストツール)[[8. スケジュールと役割分担 (モデレーター, メモ係)]][[9. インフォームドコンセントと同意書の準備]]
- 1. テストの目的とリサーチクエスチョンの設定
2.2. ステップ2: 実施 (Conducting) MOC
- テストセッションの流れ MOC
[[1. 導入と説明 (ブリーフィング、アイスブレイク)]][[テストの目的説明とインフォームドコンセントの取得]][[「システムではなく、使いやすさをテストしている」ことを伝える]][[思考発話法のお願い]]
[[2. 事前インタビュー]](参加者の背景理解)[[3. タスクの実施]][[4. 事後インタビュー (デブリーフィング)]](全体的な感想、深掘り)[[5. 謝礼とクロージング]]
- ファシリテーターの役割とスキル MOC
[[中立的な立場の維持]][[参加者をリラックスさせるラポール形成]][[効果的なプロービング (深掘りの質問)]][[誘導尋問を避ける]][[沈黙の活用]][[予期せぬ事態への対応]]
- 観察と記録の方法
[[効果的なメモの取り方 (観察事実と解釈の分離)]][[観察者の役割と注意点]][[録画・録音の活用]]
2.3. ステップ3: 分析と報告 (Analyzing and Reporting) MOC
- データ分析の準備
[[インタビューや観察メモの整理]][[定量的データの集計 (タスク成功率、時間など)]]
- 定性データの分析手法 MOC
- KJ法による課題のグルーピング
[[重要度と頻度による問題の分類]]- ユーザビリティ問題の深刻度評価 (Nielsenの深刻度スケールなど)
[[根本原因分析 (Root Cause Analysis)]]
- インサイトの抽出 (観察された事象の背後にある「なぜ」を導き出す)
- テスト結果レポートの作成 MOC
- レポートの構成要素
[[エグゼクティブサマリー]][[調査概要]][[参加者プロファイル]][[主要な発見とインサイト (ポジティブ/ネガティブ)]][[課題リスト (スクリーンショット、深刻度、具体例付き)]]- 改善提案 (Recommendations)
[[ビデオハイライトクリップ]]
- ステークホルダーに伝わるレポートの書き方
- レポートの構成要素
- 結果共有会と次のアクションへの接続
3. ユーザビリティテストの種類と分類 MOC
- モデレーターの有無による分類
- モデレーター付きユーザビリティテスト (Moderated Usability Test) MOC
[[利点 (深い洞察、柔軟な対応) と欠点 (コスト、時間)]]
- モデレーターなしユーザビリティテスト (Unmoderated Usability Test) MOC
[[利点 (大規模、高速、低コスト、地理的制約なし) と欠点 (深い洞察が得にくい、参加者の誤解)]][[利用ツール (UserTesting.com, Mazeなど)]]
- モデレーター付きユーザビリティテスト (Moderated Usability Test) MOC
- 実施場所による分類
- ラボテスト
[[利点 (詳細な観察、安定した環境) と欠点 (コスト、参加者の緊張)]]
- リモートテスト (Remote Test)
[[利点 (地理的制約なし、自然な利用環境) と欠点 (技術的トラブル、環境の不均一性)]]
- ラボテスト
- 実施タイミングによる分類
- 形成的評価 (Formative Evaluation) (開発プロセス中に行い、設計を改善するためのテスト)
- 総括的評価 (Summative Evaluation) (完成した製品を評価し、ベンチマークと比較するためのテスト)
- 収集データによる分類 (再掲)
[[定性的ユーザビリティテスト]][[定量的ユーザビリティテスト]]
4. 主要なユーザビリティテスト手法とテクニック MOC
- 思考発話法 (Think-Aloud Protocol) MOC
- 5秒テスト (Five Second Test)
- ファーストクリックテスト (First Click Test)
- ヒューリスティック評価 (Heuristic Evaluation) MOC
- 専門家が経験則 (ヒューリスティックス) に基づいてUIを評価する手法
[[ヤコブ・ニールセンの10のユーザビリティヒューリスティックス]](詳細解説)- ユーザビリティテストとの違いと組み合わせ
- 認知ウォークスルー (Cognitive Walkthrough) MOC
- ペアテスト (Co-discovery Learning)
- ベンチマークテスト (Benchmark Testing)
- ゲリラテスト (Guerrilla Testing)
5. ユーザビリティの測定と指標 (Metrics) MOC
- 定量的指標 (Quantitative Metrics) MOC
[[タスク成功率 (Completion Rate)]][[タスク完了時間 (Time on Task)]][[エラー数 (Error Rate)]][[クリック数]][[効率の指標 (例: 1タスクあたりの時間)]]
- 定性的指標 (Qualitative Metrics) MOC
[[観察されたユーザビリティ上の問題点]][[ユーザーの発言 (ポジティブ/ネガティブ)]][[混乱やフラストレーションの兆候]]
- 標準化されたユーザビリティ質問票 MOC
- SUS (System Usability Scale) (信頼性の高い10項目の質問票)
[[(オプション) SUPR-Q, PSSUQ, UMUXなど]]
- メトリクスの解釈と可視化
6. ユーザビリティテストのベストプラクティスと課題 MOC
6.1. ベストプラクティス MOC
[[早い段階から、頻繁にテストを実施する (Iterate, Iterate, Iterate)]][[完璧な参加者を求めすぎない]][[パイロットテストを必ず実施する]][[テスト中は中立を保ち、助け舟を出さない]][[観察事実と自分の解釈を区別する]][[ポジティブなフィードバックも収集する]][[チーム全体を巻き込む (観察への招待)]][[結果を実用的な改善案に繋げる]]
6.2. アンチパターンと陥りがちな罠 MOC
[[目的が曖昧なままテストを実施する]][[不適切な参加者を選ぶ]][[誘導尋問をしてしまう]][[ユーザーに使い方を説明してしまう]][[一度に多くのことをテストしようとする]][[1人のユーザーの意見を鵜呑みにする]][[レポートを作成して満足してしまう (改善に繋げない)]][[ユーザビリティテストを「バグ探し」と混同する]]
6.3. テストにおけるバイアスの種類と対策 MOC
[[実験者バイアス (Experimenter Bias)]][[参加者バイアス (ホーソン効果, 社会的望ましさバイアス)]][[サンプリングバイアス]][[バイアスを軽減するための工夫]]
7. ユーザビリティテストのツールとリソース MOC
- リクルーティングサービス (UserTesting.com, User-Interviews.comなど)
- リモートテストプラットフォーム
[[モデレーターなしテスト用 (Maze, UserTesting.com)]][[モデレーター付きテスト用 (Zoom, Google Meet, Lookback)]]
- アンケートツール (Google Forms, SurveyMonkeyなど)
- 分析支援ツール (Dovetailなど)
- 主要な書籍、ブログ、コミュニティ